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低用量ピルで生理痛が改善される?そのメカニズムとは

カプセルが乗っているお椀

日本では避妊方法としてはコンドームが主流ですが、欧米ではピルの服用により避妊する割合の方が高くなっています。ピルの内服率の高さはフランスやドイツなどでは40%近くにのぼりますが、翻って日本ではごくわずかの女性が服用しているにとどまります。しかも日本国内では病気治療のためにピルの服用が実施されていることもおおいため、避妊方法としてピルを選択する人口はごく限られた層だけと言うのが現実です。

その理由としてはピルに対する誤解や偏見や男性主導の避妊方法であるコンドームが圧倒的に普及しているなど、日本特有の事情が関与しているものと考えることが出来そうです。しかし最近ではピルには色々な恩恵があることが明らかになり、ホルモン配合量を抑えた低用量ピルが登場するなど、次第に注目を集めつつあります。特に副次的に生理痛など月経に関連する悩みの改善に、効果を発揮しているとされています。そのメカニズムはどのようになっているのでしょうか。

低用量ピルには弐種類からなる女性ホルモンである、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲストロン(黄体ホルモン)に類似した成分が配合されています。エストロゲンは卵細胞の成熟を促し排卵に関与擦るのに対して、プロゲストロンには妊娠に備えて子宮内膜を厚くする作用をもっています。妊娠すると両者の女性ホルモンの分泌量が増えた状態がキープされて出産に向けて胎児の成長が促されることになります。生理周期においては排卵日に向かってエストロゲンの分泌量が増加しますが、排卵日を境にしてプロゲストロンの分泌量が増加するといったサイクルを繰り返し、妊娠にいたらなければ月経となり子宮内膜が剥がれ落ち、生理が起こります。

ところが低用量ピルは女性ホルモンのいずれも補給する働きがあるので、脳は妊娠しているものと誤認識してしまい排卵が起こらなくなります。これが低用量ピルの本来の作用ですが、妊娠していると誤認識するので子宮内膜はあまり成長しなくなります。月経時に生理痛を感じることがあるのは、子宮を収縮させて内膜の排出を促すプロスタグランジンという物質が盛んに分泌されることによります。ところが低用量ピルを服用中は妊娠を準備するために必要な、子宮内膜の成長が抑制されることになるので子宮を収縮させる必要性が乏しくなります。そのおかげでプロスタグランジンの分泌も抑制されるため、生理痛も改善されることになるのです。酷い生理痛であったり、子宮内膜症などの治療に低用量ピルが投与されることがあるのは、このような低用量のメカニズムによります。

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